インペラ(IMPELLA)とは、左心室負荷を直接軽減する補助人工心臓の一つです。海外では10年以上前から使用されていましたが、2017年9月から日本にも導入されました。
インペラ(IMPELLA)は、あらゆる内科療法に抵抗性の心原性ショックが適応になります。具体的には超重症心不全症例の心不全が悪化した場合や、急性心筋梗塞や劇症型心筋炎で搬送される緊急重症ショック症例に有効と考えています。足の付け根から経皮的・経血管的にポンプカテーテルを挿入、ポンプ内の羽根車を高速回転して左室内のカテーテル先端の吸入部から血液をくみ出して、大動脈に位置した吐出部へ送り出すことで、順行性補助循環を可能にしています。
当院でもいち早く導入し、12月下旬に緊急重症心不全症例の患者さんに使用させていただきました(全国で4施設目、東海エリアでは初)。
本例は陳旧性前壁心筋梗塞による低左心機能、腎不全を合併した重症大動脈弁狭窄症の70代女性で、血行動態破綻のためPCPS挿入下にPTAVを施行後に、AVR+CABGへのよりよいブリッジ・テラピーとして使用しました。従来のPCPS+IABPと比較して早期から著明な左室圧の改善を認めました。
迅速な対応が必要な際に有効な補助循環にはPCPS(経皮的心肺補助装置)がありますが、逆行性補助循環のためPCPSでは左心室に負荷がかかり、左心不全がさらに悪化する場合には左心補助人工心臓が必要になります。一方、当院で使用可能な体外式左心補助人工心臓や植込み型補助人工心臓は胸を開けないといけないため、侵襲が高く、緊急症例には対応困難でした。インペラは、それらの問題点をクリアした補助循環装置といえます。
最先端の医療機器を使いこなし、世界水準の治療をこの地区の皆様に還元することを使命と考えています。
心原性ショック例のうち、あらゆる内科的治療抵抗性の症例であって、従来のIABPまたはPCPSによる補助循環のみでは救急困難が想定される病態にある症例。急性左心不全症例。
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