卵円孔開存(PFO)は、心臓の左右の心房の間にある心房中隔に隙間が開いている状態です。胎児期の遺残であり、成人の約20%にあると言われています。通常は、生後数日の間に閉じることが多く、開存したままの状態でも無症状の方は治療の必要もありませんが、まれに卵円孔開存(PFO)があるため、右心房から左心房に血液が直接流れ込み、血栓が卵円孔を通過し、脳梗塞や一過性脳虚血発作の原因になると考えられています。
脚の静脈に血栓ができたときなど、時折、血流にのって心臓の最初の部屋である右心房に達し、PFOを介して左心房に入ってし まうことがあります。この血栓が左心室へ、そして心臓を出て大動脈へと流れ出て、脳に到達したときに脳梗塞を引き起こすことがあります。このような脳梗塞を奇異性脳塞栓症といいます。 2017年に、卵円孔開存を閉鎖栓を用いて経皮的に閉鎖することによって脳梗塞の再発を抑えられることが明らかとなったため一気に注目されました。
●条件
*卵円孔開存の関与があり得る潜因性脳梗塞であること
*閉鎖術後一定期間の抗血栓療法が可能であること
本治療は、手術で開胸するのではなく、体表から皮膚を通してカテーテルを挿入し、血管の中から治療します。脳梗塞の予防ができるほか、血を固まりにくくする抗凝固剤(または抗血小板剤)を治療後の経過次第で中止できることが期待できます。経カテーテル閉鎖術では、特殊な金属の閉鎖栓を使用し、心臓の欠損孔部分に合わせるように入れて、穴をふさぎます。
①大腿静脈からカテーテルを挿入し、心房中隔に空いた卵円孔へシースを通します。②折りたたんだ閉鎖栓を左房内へ持ち込み、まず左房ディスクを展開します。③閉鎖栓を右房側へ引き寄せて右房ディスクも展開し、両ディスクで卵円孔を挟み込むことで卵円孔を閉鎖します。これによって卵円孔開存関連性脳梗塞の再発を高率に抑えることができます。全身麻酔で行いますが、カテーテルの手技時間は1時間程度です。術後数日で退院可能です。
・開胸はせず、大腿静脈からカテーテルを挿入し、血管の中から治療。
・抗凝固剤を治療後の経過次第で中止が期待できる。
・卵円孔開存関連性脳梗塞の再発を高率に抑えることができる。
・厚生労働省の認可した保険診療である。
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