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〒487-0016 
愛知県春日井市高蔵寺町北2丁目52番地  
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専門分野Specialized Field

冠動脈疾患

概要

心臓は全身に血液を送るポンプとしての重要な役割を持っていますが、心臓自身にも血管を通して血液を送らないと心臓は動けなくなります。その血管が冠動脈です。心臓の表面を覆うように発達しており、大動脈の根元(冠動脈洞)から右に1本(右冠動脈)、左は主幹部を介して2本(左前下行枝・左回旋枝)に分かれ、さらに細かい分枝になり心筋を栄養しています。

冠動脈疾患は、この冠動脈が狭くなったり、詰まったりすることで、胸の違和感を自覚したり、心臓そのものにダメージを負ってしまい心機能が弱ったり、生命を落としたりする病気です。代表的な病気は、狭心症、心筋梗塞です。特に、急激に発症する急性心筋梗塞、不安定狭心症(両者併せて、急性冠症候群と言います)は、突然死の代表的な原因です。急性冠症候群と慢性冠症候群では、大きく対応が変わります。

原因

動脈硬化による冠動脈内プラーク(粥腫)の増大による冠動脈内腔の狭窄、血管内皮の障害、冠動脈自体の攣縮(痙攣して細くなること)、心臓からの血栓塞栓(血の塊が飛んできて詰まること)など、様々な原因があります。 近年、生活習慣の欧米化に伴い動脈硬化を原因とする狭心症・心筋梗塞を発症される人が増加し、注目されています。

症状

冠動脈に狭窄があると、狭窄部位から末梢の心筋に十分な血液が供給できず、心筋の血流不足から、いわゆる胸痛を自覚します。この症状は人それぞれですが、前胸部の圧迫感、重苦しさ、絞扼感、で訴える方が多い印象です。決して激しい痛みだけが、症状ではありません。

特徴としては、左肩や首やあご、歯茎といった胸以外の部位にも同時に症状を自覚することがあること、冷汗・嘔気を伴うことがあり、また、ある一定の労作(重い物を持ち上げる、坂道・階段を上がるなど)をきっかけに症状を自覚することが多いです。

急性冠症候群と慢性冠症候群

・1ヶ月以内に新しく症状を自覚した

・症状が徐々に悪くなる(簡単に起きる)

・なにもしていなくても(安静時に)症状を自覚する

これらは急性冠症候群とし、緊急で対応します。即座に緊急でカテーテル検査をお願いすることが多いです。

・1ヶ月以上前から症状を自覚する

・いつも同じ労作で症状が起きる

・症状が何もない

これらは慢性冠症候群とし、十分に治療適応(治療を受ける妥当性があるか)を吟味した上で、薬物療法・カテーテル治療・冠動脈バイパス術をお勧めします。

急性冠症候群

狭心症の段階では、動脈硬化の改善、狭心症症状を軽減する治療がメインとなりますが、ひとたび冠動脈が閉塞し急性心筋梗塞を発症すると、心筋壊死による心破裂・不整脈からの突然死に至るケースがあり、院外急性心停止の最も多い原因です。特に一度心筋梗塞を発症すると、死亡率は約30%、との報告があります。冠動脈が閉塞し心筋壊死を起こした「急性心筋梗塞」と、冠動脈が詰まりかけている「不安定狭心症」をまとめて、”急性冠症候群”と呼び、循環器領域で代表的な急性期疾患です。急性心筋梗塞において血流が再開するまでの時間が短ければ短いほど生命予後が改善すると言われており、当科では365日24時間いつでも緊急でカテーテル治療ができる体制を整えています。症状を元に心電図検査、ほか血液検査、心エコー図検査で診断し、カテーテル治療を即座に行い、閉塞した血管を再開通させること(再灌流)により心筋への血流が回復すれば、死亡率は30→10%に減少し、その後の安静を中心とした集中治療管理、心臓リハビリを経て1週間後には死亡率が更に減少し、2-3週間で退院が可能になります。入院期間は、心筋壊死(ダメージ)の量により決めています。

慢性冠症候群

決まった労作量で胸部症状が安定して出現する「安定狭心症」、過去に心筋梗塞を発症し現在は症状が落ち着いている「陳旧性心筋梗塞」、症状がない、もしくは乏しいものの、心筋への血流が不十分になる冠動脈狭窄をもつ「無症候性虚血性心疾患」に大別されます。これらは、基本的には動脈硬化の改善、狭心症症状を軽減する治療がメインとなりますが、それでも症状を繰り返したり、心筋への血流が不十分だったり、心不全になる場合は、カテーテル治療や、冠動脈バイパス術を検討します。診断方法として、外来でも可能な心臓CT、心臓MRI、負荷心筋血流シンチグラフィ(RI)、また当院では入院が必要な心臓カテーテル検査があります。

検査・診断

冠動脈疾患の診断方法として、従来からの一般的な血液検査・胸部レントゲン・心電図・心エコー検査・運動負荷心電図検査に加えて、当院では心臓CT検査に力を入れています。最新の心臓CT機器装置を導入し、外来での”当日検査対応可能”な運用を常時行っており、また必要に応じて夜間緊急でもCT撮像できるようにしています。

明らかに治療必要な狭窄が疑われる場合は、入院のうえ心臓カテーテル検査(冠動脈造影)にて最終診断を行い、 治療の必要性があればそのまま血管内治療を行うようにしています。

我々でも治療必要かどうか迷う程度の狭窄であったり、CTでは判別不能な石灰化のある冠動脈の場合は、運動負荷心電図、心筋シンチグラフィ検査、を行うか、入院のうえ心臓カテーテル検査を行い、血管内治療を行うか判断します。

心臓カテーテル検査(冠動脈造影)は、冠動脈の状態を最も精密に評価するゴールデン・スタンダードな検査です。これにより詳細な情報を得ることでカテーテル治療に役立てます。 ただ、局所麻酔下に手首・腕・足の付け根から血管内にカテーテルという直径約2mmの細い管を入れて行うため、患者様の身体には少なからず負担があります。

当院の特色として、上述の心臓CTを活用しているため、カテーテル検査の前には概ね心臓の状態が把握できています。明確な狭窄のある患者さんは、検査と治療の2回に分けることなく、1回の身体の負担でそのまま治療に移行することが可能で、なるべく患者さん皆様の苦痛を軽減できるコンセプトで診療を心掛けています。

診療時間

午前診 夕診
受付 8:00~11:30 16:30~19:00
診療 9:00~12:00 17:00~19:00
  • 午後診は予約制です。各診療時間・予約にご注意下さい。
    365日24時間緊急・時間外受診 TEL:0568-51-8711(代表)

交通アクセスAccess

〒487-0016 愛知県春日井市高蔵寺町北2丁目52番地

  • 電車でお越しの方

    ・JR中央線、高蔵寺駅で下車。北口より西へ徒歩5分
    ・愛知環状鉄道線、高蔵寺駅で下車。北口より西へ徒歩5分

  • 車でお越しの方

    春日井インター(国道19号線)より国道155号線を瀬戸方面に乗り換え直進

  • バスでお越しの方

    ・名鉄バス、「名古屋徳洲会総合病院」で下車。徒歩1分
    ・JRバス、「高蔵寺」下車。北口より西へ徒歩5分